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病理組織固定用ホルマリン容器の無暴露化品を共同開発

研究のポイント

  • 富山大学学術研究部医学系 平林健一教授と附属病院病理部 田近洋介臨床検査技師長の研究グループならびに三晶MEC株式会社(富山県滑川市中新1029-1、代表取締役:一色 勝彦)が富山大学研究推進機構学術研究?産学連携本部の共同研究を活用して、病理組織固定用ホルマリン容器(注1)の無暴露化品の開発に成功した。
  • 富山大学附属病院の医師、技師、看護師のアドバイスを元に試作と改良を繰り返し実施、10ml、25mlの2タイプの容器が完成した。
  • 量産に必要な成形金型、自動機などの設備は、全て三晶MEC(株)自社内で設計製作し、量産体制を構築済。

概要

海外では法的な規制により、一般的に無暴露タイプの容器を使用しているが、日本国内は暴露への注意喚起はあるものの、実際にはホルマリン暴露(注2)の可能性がある容器を使用している。
海外の無暴露タイプの製品は複雑な構造をしており高価であることから、三晶MEC(株)自社の海外拠点から、無暴露タイプの容器を開発できないかとの相談を受け、本製品のリサーチをスタートし、試作と改良を繰り返し無暴露容器が完成した。

用語解説
  • (注1)病理組織固定用ホルマリン容器:病理検査?病理診断のために採取された組織サンプルを保存および固定するための特殊な容器である。この容器内には、ホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)が入っており、細胞内の酵素の活性を停止させ、細胞や組織の分解を防ぐ。
  • (注2)ホルマリン暴露:ホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)に直接または間接的に触れたり、その蒸気を吸入することを指し、これにより刺激性や発癌性を持つホルマリンが体内に入ることで、適切な取り扱いがないと健康に悪影響が生じる可能性がある。

研究内容の詳細

病理組織固定用ホルマリン容器の無暴露化品を共同開発[PDF, 279MB]

お問い合わせ

富山大学学術研究部医学系病理診断学講座
教授 平林 健一

TEL:076-434-7236
E-mail:

富山大学附属病院病理部
臨床検査技師長 田近 洋介

TEL:076-434-7745
E-mail: